事業内容

人工知能(AI)技術を用いたAI医療機器の開発・販売

アイリスは、のど(咽頭)の写真や問診情報等をもとに、AIを用いた判定技術によって総合的に病気の診療を行うという、これまでとは異なる新しい検査法の開発に取り組んできました。
2022年12月にファーストプロダクトであるAI搭載の咽頭内視鏡システムを発売。同時に、日本でこのシステムを用いてインフルエンザの診断を行うプロセスが保健適用になりました。

ハードウェア技術:咽頭を撮影することに最適化した専用カメラの開発

医師が長年の経験をもとに行っている診療の一つに、のど(咽頭)の診察があります。咽頭は医師が直接目視できることから、これまで胃カメラなどのように画像データとして解析がなされていない部分でしたが、アイリスはこの診察プロセスをデータ化しました。
アイリスでは、AI化に適した咽頭撮影ができる専用のカメラを自社開発しました。このカメラはウェブに接続された IoT 医療機器となっており、撮影された咽頭写真が即座にクラウドに同期され、クリニックにある使い慣れたパソコンを使ってリアルタイムに画像を閲覧することができます。
アイリスではこのカメラを用いて、のべ100以上の医療機関と共同で咽頭写真を蓄積し、またAIを用いた画像診断技術の開発に繋げています。

AI技術:咽頭写真から感染症を見極めるAI判定技術

例えばインフルエンザの場合、のどにインフルエンザ濾胞(ろほう)と呼ばれる特有のサインが現れます。しかし、インフルエンザに限らず多くの風邪や全く健康な人であっても、のどの奥には似たようなサインが現れます。咽頭の診察からインフルエンザの診断を行うことは、長年の経験を積んだ医師にしかできません。
私達はその「匠の医師の目」をはじめ、様々な医師の診察技術をAIの力で再現していきます。

ソフトウェア技術:AIを高速かつ安全に実行できる、堅牢なAIプラットフォームの開発

匠の医師たちの優れた技を再現するため、アイリスのAIには様々な工夫が織り込まれています。 私達は、このハイレベルで複雑なAIを高速で処理するために、独自の並列コンピューティング技術を開発しました。その上で最新のクラウドインフラストラクチャーを活用し、大量のデータを安全に扱うことができる、堅牢なデータ基盤を実現しています。
私達は最新のウェブ技術を用いて、医師にとって使いやすいユーザーインターフェースを追求しています。

医療データの社会活用とさらなる課題解決へ

アイリスでは、多くの患者さんのご協力のもと咽頭写真や医療データを蓄積し、AIの開発を行ってきました。また、アイリスのAI搭載咽頭内視鏡システムは既に多くのクリニックに導入され、日々診断に使われています。こうした診療を通じて蓄積される新たなデータは、将来の研究を通じてAIの性能を向上させたり、より多くの病気の判定に対応していったりと、社会的意義の高いデータです。アイリスは、さらなる未来のAI開発や、またこれらのデータベースを用いて国や自治体と感染症対策に連携して取り組むことなどを通じて、社会課題を解決して参ります。